真珠がくれた勇気を、力に変えて。

本真珠をネイルに、という思いが私の中に芽生えたのは、独力で技術を修得し、ルキナパールを発表したのち真珠ネイルデザイナーとし活動を始めて間もない頃。その時のことを思い出すと、今も少し胸が痛みます。それはブライダルネイルをオーダーされたお客様でした。女性として最高に輝く日のための大切なネイル。美しく彩られた爪に、飾りのイミテーションパールを乗せた瞬間、私の中に言いようのない違和感がこみ上げたのです。その白い粒は、花嫁にふさわしい輝きを放ってはいなかったから。お客様も同じ思いだったことは、後でお客様から届いた手紙で知りました。申し訳なさと後悔で、胸がいっぱいになりました。今でこそネイル用イミテーションパールも進化して質の良いものが増えましたが、それでもやはり本物にはかないません。ましてや当時のネイルアート素材は、まだまだ発展途上でした。私はそんな状況に妥協していてはいけないと痛感したのです。

身につける人に自信と勇気を与えてくれる本物を使おう。そう決心はしたものの、私には本真珠を仕入れるルートもなければ、本真珠をジェルネイルに装着する方法も見当がつかない、というゼロからのスタートです。理想を形にするまでに、気づけば9年もの歳月が流れていました。仕入先を探しては断られ、技術開発には行き詰まってばかりな日々。心の支えになったのは、真珠の輝きでした。

私が10代の頃から憧れ、大好きだった真珠とは、母貝たちが体内に宿した小さな異物を、長い年月をかけて自らの分泌液で包み込んだ末に産み落としたもの。そのことを知って以来、いつしか真珠は、痛みや困難に打ち勝つ力のシンボルとして、くじけそうな私の背中をそっと押してくれる存在となりました。

ルキナーパール
ギフトボックス

これからは、志をともにする全国のサロンにルキナパールをお届けすることで、世界中の女性に、本物の輝きをまとう喜びを感じていただくこと。そして日本の真珠業界に新風を吹き込み、地域へ恩返しをしていくこと。それが私の願いです。

サイン

ルキナパールは、公益財団法人・三重県産業支援センターの助成金認定事業として、開発支援を受け商品化しました。

KatsumiOnishi’s Profile

大西 克美  Katsumi Onishi

株式会社ルキナ代表取締役/ルキナネイルスクール校長

子育て真っ只中の30代に、生まれ育った大阪を離れ、家族で三重に移住。慣れない環境で自分らしい生き方を模索しながら、ネイリストの技術を習得し、2008年にサロン「ルキナ」を開業。翌年、国内で初めて本真珠を取り入れたネイルを発表するも、品質に納得がいかず研究開発に打ち込む日々を送る。自信が持てる技術を完成させるまでに、その後9年もの歳月を要し、2018年、ようやくルキナパール正式デビューにこぎつける。 自分の力と未来を信じ、新しい事業の創意工夫に燃え、困難や試練に勇気を持って挑戦する「アントレプレナーシップ(起業家精神)」で、夢を叶えたい女性を応援し、社会を元気にしたいと願う。

プロフィール写真

主な実績
■名古屋金城学院大学「女性起業家論」ゲスト講師
■平成28年度 津市企業誘致・産業振興懇話会メンバー
■平成28年度 三重大学主催「女性の起業応援セミナー」ゲスト講師
■平成26~28年度 ミスユニバースビューティキャンプ講師
■桑名市、鈴鹿市商工会議所 創業塾ゲスト講師
■NHK文化センター、近鉄文化サロン、サンケイリビングカルチャー ネイル講師